DX支援事例

中小企業向けスマート工場化を目指した取組み

支援先:有限会社佐々木組

2024年3月25日掲載

愛媛県が実施する『トライアングル愛媛(愛媛県デジタル実装加速化プロジェクト)』を活用して、株式会社ディースピリット(松山市)と連携して企業が抱える課題、①アナログ工程管理、②工程間の重量物移動、③技術者の高齢化による人手不足の不安の解決を図った。

課題①アナログな工程管理

<課題>製造指示書(紙)が各現場に回って作業等が手書きされた状態で作業完了後に事務所に戻ってくる。そのため進捗を知るためには製造指示書を探しに行くか、各工程の担当者に確認を行うというアナログ作業になっており把握までに時間と手間がかかる。

<対策>システム(Web)導入。案件管理を行い、各工程で作業の開始と終了を現場にあるタブレットで製造指示書のバーコードを読み取ることで管理を行う。

<効果>事務所ではシステムから、現状の進捗上の把握が瞬時に可能、また作業者も業務後に行っていた日報入力の手間が省ける。経営者としては、工程での原価が把握できることで生産、販売計画に活用ができる。

課題②工程間の重量物の移動

<課題>重量物を人が台車やクレーン等で運んでいる。工場の増築のために何度もクレーンを継いでいかなければならなかったり、課題①にも関係するが、進捗がわからないため、何度も部材の出来を確認に行く必要があり、時間をロスしている。

<対策>工程間のAGVによる重量物搬送。重量物の部材を搬送できるAGVを導入し、目的地に自動的に搬送する仕組みを構築する。

<効果>手作業で行っていた部材の搬送を自動化することで生産性アップと搬送する作業者の負担軽減になる。積載ではなく牽引とすることで搬送重量が増えるため、牽引台車を合わせて導入。活用が進んで行くことで走行ルート等を自分たちの手で作ることも可能。

<課題>高齢熟練者が主となっており溶接作業専属の担当者の人手が足りていない。溶接作業において熟練者の高齢化と人手不足、労働衛生上の問題があり、技術伝承も課題となっている。

課題③技術者の高齢化による人手不足の不安

<対策>協働ロボットの導入。溶接ロボットを導入し、数製品をロボットで対応、ノウハウの蓄積後に順次対応製品を拡大する。

<効果>手作業で行っている溶接作業をロボットによる自動化を行うことで人手不足への対応と労働衛生上の改善ができる。